小樽・ニセコ・余市といえば、北海道を代表する有名観光地。休日や観光シーズンには多くの観光客で賑わい、道路や駐車場、飲食店の混雑は避けられません。しかしその陰に隠れ、観光地価格ではなく、ゆったりと質の高い時間を過ごせるエリアがあることをご存知でしょうか。それが「仁木町」と「赤井川村」です。
今回は、札幌発 1 泊 2 日のキャンプ&ドライブ旅で体験した、仁木・赤井川の魅力的なスポットや絶景ドライブコース、お得情報を詳しく紹介します。
小樽・ニセコ・余市からもアクセスしやすい“穴場”エリアで、混雑を避けながら北海道らしい自然とグルメを満喫しましょう。
仁木・赤井川が穴場な理由
高速道路利用で小樽・余市の渋滞を回避
観光シーズンの小樽や余市は、国道 5 号線を中心に渋滞が発生しやすく、移動に時間を取られることも。
今回の旅では、札幌から札樽自動車道と後志自動車道を利用して仁木 IC まで直行し、混雑を完全回避しました。復路も朝里 IC から高速に乗れば、小樽市内や札幌郊外の渋滞に巻き込まれずスムーズに帰宅できます。
飲食店や買い物、キャンプ場も混雑知らず
仁木・赤井川の魅力は、人気店や観光スポットでも比較的空いていること。ゆっくり席につき、美味しい食事や買い物を楽しめます。観光地価格ではなく、内容に見合った価格設定も嬉しいポイントです。
今回のドライブコース
- 1日目札幌出発
札樽自動車道・後志自動車道で、仁木ICまで直行
- お昼は「naritaya」でおいしいお蕎麦
余市川近くの山の中腹にあるおしゃれな蕎麦屋さんで昼食
- 「にきや」でクラフトビール&新鮮野菜購入
自家製ホップ&醸造のクラフトビール、野菜を購入
- MOUNT NIKI チェックイン
13:00にチェックイン。設営後にクラフトビールを堪能
- 2日目MOUNT NIKI チェックアウト
10:00にチェックアウト
- 道の駅「あかいがわ」
お得な地元野菜や、ニセコ高橋牧場のソフトクリームも
- 山中牧場赤井川本店でソフトクリーム
濃厚でコクがありながらも、後味さっぱり!
- メープルロード絶景ドライブ
有名な毛無峠展望所の前に現れる朝里方面の眺望もお見逃しなく
- 朝里ICから帰宅
仁木町の穴場グルメ&観光スポット| 1 日目
札幌から高速道路を使って約 1 時間、仁木町は自然に囲まれた静かなまちです。観光地としての知名度は小樽や余市に及びませんが、その分混雑も少なく、落ち着いた雰囲気の中でグルメや観光を楽しめます。
naritaya(蕎麦)
仁木町の余市川近くの山の中腹にある蕎麦店「naritaya」は、おしゃれで落ち着いた店内と、地元の素材を活かした料理が魅力。到着はちょうどお昼時の 12 時ごろで満席でしたが、待ち時間は 5〜10 分ほど。観光シーズンの有名地だと 30 分以上並ぶことも珍しくないため、このスムーズさは穴場の証拠といえます。


今回注文したのは、「海苔せいろ」と夏限定の「ぶたしゃぶとねぎ油のぶっかけ」。
- 海苔せいろ:
つややかな蕎麦の上にパリパリの磯海苔がふんだんに盛られており、口に含むと海苔の香ばしさがふわっと広がります。つけつゆにくぐらせると海苔が柔らかくなり、パリパリ感としっとり感、二つの食感を楽しめるのが面白いポイントです。 - ぶたしゃぶとねぎ油のぶっかけ:
余市産の北島ワインポークを使った冷しゃぶに、大根おろしと自家製ねぎ油をたっぷりかけた夏限定メニュー。脂の甘みとさっぱり感、大根おろしの清涼感、さらにねぎ油の香ばしさが加わり、食欲を一気に加速させます。夏の日差しの中で食べるのにぴったりの一品でした。


支払いはクレジットカードにも対応していますが、3,000 円以上からの利用となります。少額の場合は現金を用意しておくとスムーズです。

にきや(クラフトビール)
naritaya からほど近く、フルーツ街道沿いにある「にきや」は、自家栽培のホップを使ったクラフトビール醸造所。ドライブ途中でも立ち寄りやすく、店内には新鮮野菜も並びます。訪れた日は、真っ赤に熟したミニトマトのアイコや、西瓜も販売されていました。


今回選んだビールは「NIKIYA WHITE(ヴァイツェン)」と「碧い島(ペールエール)」の 2 種類。
- NIKIYA WHITE:
小麦を使ったヴァイツェン特有のやわらかな口当たりと、フルーティな香りが特徴。炭酸はやや控えめで、口の中でふわっと広がる甘みが心地よい。 - 碧い島:
より華やかな香りと厚みのある味わいが魅力。麦の旨味を感じながら、柑橘を思わせるフレッシュな後味が続きます。
このビールを味わったのは、MOUNT NIKI キャンプ場の「丘の上カーサイト」。青空の下、目の前に広がる景色と夏の風を感じながらグラスを傾ければ、それだけで旅の価値が何倍にも膨らみます。
野菜のアイコは、噛むと皮がはじけて果汁があふれ、野菜とは思えないほどの透き通る甘さ。スーパーで見かけるものとは別物で、畑でしっかり熟したものだからこそ味わえる贅沢でした。

MOUNT NIKI での過ごし方

到着は 13 時を少し過ぎたころ。丘の上のカーサイトに車を停め、風の抜け方と景色のバランスを確かめながらタープとテントを設営します。芝はやわらかく、ペグもすっと入っていく感覚。ひと通り整ったら、「にきや」で買った NIKIYA WHITE(ヴァイツェン)と碧い島(ペールエール)をクーラーボックスから取り出し乾杯。

NIKIYA WHITE は、小麦のやわらかな口当たりに、バナナやクローブを思わせる香り。乾いた喉に穏やかな泡がふわりと広がります。碧い島は少し華やかで、柑橘のアロマが肉の脂を軽やかに切る爽快感。仁木の夏に似合う、ビールと炭の香り。焼き網の上で豚肉や野菜がジュウと音を立て、遠くには深緑の山々の稜線。視界に人工物はほとんどなく、それでいてアクセスは良好。この距離感こそが、ここを“穴場”にしている魅力。
小さなお子さま連れの場合は、設営後や夕方の空き時間に、水鉄砲やプールがある水遊びエリアでひと遊びするのもおすすめです。

夜は静けさに包まれます。広めの区画と行き届いたマナーのおかげで、周囲の音は最小限。耳を澄ますと、コオロギの合唱に時折カエルの声。月が山の影から顔を出すと、ロープやタープの端が淡く照らされ、北海道の夜が一層くっきり。虫は思ったより少なく、今回は刺されることもありませんでした。

翌朝、覚えておきたいのは夜露。丘の上は風通しがよく快適ですが、タープやテントはしっかり濡れます。チェックアウトは 10 時。コーヒーの前に吸水スポンジでざっと拭き、乾きの遅い部分だけ日なたへ移すのが正解。朝日が差し込むまで少し時間がかかるため、「拭き取り → 朝ごはん → 最終乾燥 → 撤収」の順が無理がありません。

施設設備やサイト詳細は別記事で詳しく紹介しています:
赤井川の絶景ドライブと旬グルメ| 2 日目
道の駅あかいがわ
「MOUNT NIKI」を 10:00 にチェックアウトした後は、道道 1020 号線を南下して赤井川村の道の駅「あかいがわ」へ。駐車場は広く、日曜の午前中でもスムーズに入れました。
ここでは屋外テントで「らいでん西瓜」が販売されており、おばあちゃんが気さくに試食を勧めてくれます。一口食べると驚くほど甘く、みずみずしい食感に即購入を決意。特大サイズにもかかわらず価格は 2,500 円。さらにおまけで枝豆まで付けてくれる太っ腹なサービスでした。
道の駅内には「ニセコ高橋牧場」のソフトクリーム店もありますが、今回は後の楽しみに取っておくことに。

山中牧場赤井川本店
赤井川村を訪れたら外せないのが「山中牧場赤井川本店」。ソフトクリームは濃厚でコクがありながらも、後味は驚くほどすっきり。新鮮な生乳の甘みが口いっぱいに広がり、思わずもう一つ食べたくなる美味しさです。
観光客にも人気ですが、地元の人も家族連れで訪れるなど、地域に愛されているのがよく分かります。


小樽・朝里を望むメープルロード(国道 393 号)の絶景ドライブ
国道 393 号(通称メープルロード)は、赤井川村から小樽方面へ抜ける山岳ドライブコースです。毛無峠の頂上付近に差し掛かると、まず右手に朝里方面の市街地と海が広がり、その後すぐに毛無峠展望台が現れます。展望台からは小樽市街や小樽港、日本海まで一望でき、空気が澄んだ日には水平線がくっきりと見渡せます。
夏の深い緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、季節ごとに表情を変えるのも魅力。道中は信号が少なく流れはスムーズですが、カーブが続く区間もあります。路肩での停車・撮影は避け、展望スペースや駐車可能なポイントを利用しましょう。天候によっては濃霧や路面凍結が発生する時期もあるため、速度と車間に余裕を持ち、安全第一で。
※豆知識:夕方は逆光を避けやすく、海の輪郭がくっきり見える時間帯。紅葉のピークは例年 10 月中旬ごろと言われます。
周辺おすすめスポット一覧(寄れなかった場所も含む)
仁木町
さくらんぼ山観光農園
北海道一の規模を誇る広大な農園で、6 月下旬から 10 月下旬までの長い期間、旬のフルーツ狩りを時間無制限で楽しめます。さくらんぼだけでも約 4,000 本、20 種類以上が植えられており、品種ごとの食べ比べも可能です。農園内にはジンギスカンを提供するレストランや、さくらんぼソフトクリームの売店も併設されており、仁木町の自然と味覚を一度に満喫できます。
大野園
JR 仁木駅から車で約 5 分とアクセスしやすい観光農園です。さくらんぼやぶどう、りんごなど、季節ごとにさまざまなフルーツ狩りができます。特にさくらんぼは、珍しい品種を含む 1,500 本が植えられており、食べ比べも楽しめます。また、雨の日でも安心な全天候型ハウスのぶどう棚や、自家製プルーンを使った甘辛いタレが人気のジンギスカンコーナーも魅力です。ペットを連れての入場も可能です。
峠のふもと紅果園
見た目よりも「味」と「安全性」にこだわった、昔ながらの農産物を生産する農園です。昔とうきび(ゴールデンクロスバンタム)をはじめ、さくらんぼ、プルーン、りんごなど、多品目を少量ずつ丁寧に栽培しています。公式サイトでは、その時期に収穫できる農産物や、ジャムなどの加工品が紹介されています。果物狩りを楽しみたい方は、事前に公式ブログなどで最新情報を確認してからの訪問がおすすめです。
フルーツパーク仁木
仁木町の特産であるフルーツをテーマにした総合公園で、入場料は無料です。見学可能な果樹見本園のほか、展望台からは仁木町の街並みと日本海を一望できます。全長 153m のジャンボすべり台や広大な芝生広場もあり、お子様連れでも一日中楽しめます。ドライブの休憩に立ち寄るのにも最適で、初夏には「さくらんぼフェスティバル」など季節のイベントも開催されます。
きのこ王国 仁木店
名物のきのこ汁やきのこ天ぷら、地元農家から届く新鮮野菜などを販売する人気店です。ドライブ中の立ち寄りスポットとして最適で、店内で食事を楽しんだり、きのこ製品や地元ならではの特産品をお土産として購入できます。特に、たっぷりのきのこが入った名物きのこ汁は、一杯 100 円という手頃な価格も魅力。テラス席もリニューアルされており、天気の良い日は外で食事を楽しむこともできます。
赤井川村
カルデラの森
赤井川村が誇る絶景スポット、「カルデラ展望所」周辺に広がる森です。村の地形が火山の噴火によってできたカルデラ盆地であることを一望でき、晴れた日には遠く羊蹄山まで見渡せます。周辺の美しい景観を保全するために「カルデラの森」と名付けられ、植樹活動なども行われています。早朝には雲海が発生することもあり、訪れる時間によって異なる表情を楽しめるでしょう。
アリスファーム
「日本で最も美しい村」に加盟している赤井川村で、40 年以上にわたり活動を続ける農場です。ブルーベリーやハスカップ、ラズベリーなど様々なベリー類を栽培し、農場内の工房で手作りのジャムやマフィンに加工しています。公式サイトでは、ふるさと納税の返礼品としても人気を集めるこだわりの商品が紹介されています。ドライブのお供やお土産を探しに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
赤井川カルデラ温泉
赤井川村で唯一の温泉施設で、地元住民からも愛される日帰り温泉です。2024 年 9 月にリニューアルオープンし、新しい源泉と鍵付きロッカーが設置されました。食事処では、地元産の食材を使った豚丼やロースカツ定食が人気です。ドライブで疲れた体を、広々とした浴槽にかけ流しで注がれる良質な温泉でゆっくりと癒すことができます。
まとめ
小樽・ニセコ・余市に比べ、仁木・赤井川は混雑を避けながら質の高い体験ができるエリアです。今回の旅では、蕎麦やクラフトビール、旬の果物、絶景ドライブと盛りだくさんの内容を楽しめました。
観光シーズンでもゆったり過ごしたい方、混雑を避けつつ北海道らしい景色と食を満喫したい方には、ぜひおすすめしたい穴場です。
北海道の人気観光地に近い仁木町・赤井川村の穴場ドライブは、小樽・余市・ニセコの混雑回避にも最適です。次の旅の候補に、ぜひ。
この記事で紹介したスポット一覧
仁木町
スポット名 | 説明 | リンク |
---|---|---|
naritaya(蕎麦) | 海苔せいろや夏限定ぶたしゃぶとねぎ油のぶっかけが人気の蕎麦店 | 公式サイト |
にきや(クラフトビール) | 自家栽培ホップの醸造所。ミニトマトや西瓜など地元野菜も販売 | 公式サイト |
MOUNT NIKI キャンプ場 | 丘の上カーサイトが人気。仁木の自然を満喫できるキャンプ場 | 公式サイト |
さくらんぼ山観光農園 | 6〜10月に多種類のフルーツ狩りを楽しめる大型農園 | 公式サイト |
大野園 | さくらんぼやぶどう狩り、全天候型ハウスを備えるリーズナブルな観光農園 | 公式サイト |
峠のふもと紅果園 | 昔ながらの安全で美味しい農産物を育てる農園 | 公式サイト |
フルーツパーク仁木 | 展望台や大型すべり台もあるフルーツテーマの総合公園。キャンプ場やコテージも。 | 公式サイト |
きのこ王国 仁木店 | 名物きのこ汁やきのこ天ぷら、地元野菜も楽しめる | 公式サイト |